我れ若し女帝の密使なりせば

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Rosengarten~ローゼンガルテン~

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渋谷「ル・デコ」の薔薇イヴェントで、シャーリーテンプルをあじわいながら聴く夜。
ろうそくの明かりだけの会場に響くうたごえ。


永井幽蘭さんのピアノが・・・・・・渋谷に薔薇波紋をひろげる。


竹友藻風も日夏翁もバイロス侯もパーシー・シェリーも、
ピアノの左右に立てた
香水仕込みの燭台に照る歌ごえに濃絶する。







「ドレスのまま泉に腰まで入り
水面に映った霊城を 薔薇の棘をたばねた鞭でひっぱたいてると
城主の黒い魂に、はらわたをえぐられ、断末魔のとどろきが疾る」






薔薇園だけで使える金貨かくやの横顔は見えずも、その背中に飾った十字架はまるで銅版画の銀の天使のつばさを封印した扉の鍵孔。


終演後にピアノのそばを横切ると、余熱に痺れた空気がピアノに張り詰めていた。ピアノもカタルシスに酔っていた。










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by lecorsaire | 2010-02-22 22:33 | 音楽

『天空揺籠』"またとはなけめ。"


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 麻布のフランス大使館が旧館をこわすにあたり、そのカウントダウンをたのしもうと廃館の中に「創造と破壊、そして混乱」というイベントをひらいた。
 ダンテの『神曲』がテーマの一種で、シンボル画も『神曲』からとったギュスターヴ・ドレの、円転群舞する天使たち。

その最終日の二月十八日、廃邸の中庭で・・・!!!
 



 最終日だけあってお客もカメラ自参者がおしよせ、『天空揺籠』の肌から立ち上る白塗りの香りと、色気に、(つめたい空気に鴉たちの声がさえわたり、)シャッター音とフラッシュが殺到する。


 その日は午前中に雪が降った後だけに寒い。『天空揺籠』を追いかける視線が身体もろとも、突き刺さる寒気と、はだかの総身をぬかるみにたたきつける舞踏の恍惚に、おかされる。
 孔雀いろの白鴉が地を這い、下半身の蛇体でからみあう。


 公演の背後を、音楽がおびやかす・・・・中庭でライヴする四人がカオスの虹色を羽ばたかせる音色器楽をあやつり、LIVEを、EVILにひっくりかえし、『天空揺籠』をまきこんでクジャクカラス羽根の半円をかがやかす。
 

 追うものと追われるものがひっくりかえる。『天空揺籠』を廃館の中庭へ押し込み、白い肌の両足を割りひろげ、人食い花のような赤黒い孔のなかに視力で押しいる。
 人食い花のような幻影は手でふれると本当の人食い花で、アフリカゾウでもマヒするほど揉み絞ってくる、香烈と色匂の大渦巻きが、花の影の中心と、光彩陸離する音曲曼荼羅の中心にギュスターヴ・ドレの『神曲』をも飲み込む、大キャンバス画が聳え立った。

 絵のなかで白肌が、ギュスターヴ・クールベの『世界の始まり』のかたちに大股をひろげるとそのフォームを雪柱高々と破壊し、中庭と廃館とをゆさぶる。おなじギュスターヴのドレいや廃館は『神曲』を翼のまま『大鴉』に変容させ、雪の温度の爪と歯をたて、『天空揺籠』を死の味覚へと咀嚼する。

 冷たい泥がしぶきをあげる。巨大パノラマが、天堂の柱でできたアッシャー家のように最高の音とともに瓦解する。中庭は公演のクライマックスに高揚し、狂声があがり、屋根によじのぼったフランス人たちが、カラスの目線でカメラを炸裂させた。


 指先にはねた泥が、暖かく絡みついた。
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by lecorsaire | 2010-02-21 19:09 | 公演

「騎上の陛下におかせられては周知のごとく、人生はもっとも大胆で華麗な賭けをうたう剣とマントの物語でございます」


by lecorsaire
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