我れ若し女帝の密使なりせば

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10月22日:舞踏公演「蒼天のしずく」"石川 慶"(10/22)

めっぽう空気が重たかった。公演がすすむにつれて重さは凶器の厚みと深紅の幻臭を得て満ち、おわってしばらくは声がでなかった。


(公演館へむかう道ぞらに、女裂めいた雷の光が一瞬たしかにみえた)


館の広間は、壁ぜんめんを夜沼にひたして染めたような黒布におおわれ、金の鎧を纏い立つ菊の群れすがたが、天井を床を生え伸び・・・・・・・・・・止まった写真のように、帽子をとると現れる禿頭に、客椅子たちの視線が冷たく総毛だつ。
映画『狂った一頁』のなかで、精神病院の檻にはいったバレリーナが画面ごと急回転するバンド演奏に喰い逆らって輪踏していた記憶が分断されたまま、ステージ実景と、熱した刃の冷たさがからみあう

みているうちに、じぶんの眼力がダイヤモンドの手術針で眼底まで突き破られるここちにおそわれる。まっしろいりんごを芯ごと、腐乱トマトのかたちに上からおしつぶす。幻なのか、毛穴にしみとおる臭いを嗅ぎつくし、いじりつくし、臓物の底の底まで腑分けしつくしてやる。

天にえがいた旗じるしの直下を、シャツにサスペンダーをまとったサバイバルズボンの、傷聖されたアンドロギュヌスがどこまでも残像する。
床は、公演の冒頭にとどろいたガラス片の裂音がこびりついてはなれない。




東生田会館までの道じゅうに、「舞踏-天空揺籃 慶組」 石川慶処女公演の写真が貼りめぐっているのでびっくりした。ここまでくると一帯は領地だ。
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by lecorsaire | 2008-10-30 17:16 | 公演

「騎上の陛下におかせられては周知のごとく、人生はもっとも大胆で華麗な賭けをうたう剣とマントの物語でございます」


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